運営方針
●事業所の認知症対応型通所介護事業の実施にあたっては、要介護者の心身の特性を踏まえて、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な日常生活上の世話および機能訓練を行うものとする。
●事業所の介護予防認知症対応型通所介護事業の実施にあたっては、要支援者の心身の特性を踏まえて、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な日常生活上の支援および機能訓練を行うものとする。
●認知症対応型通所介護事業および介護予防認知症対応型通所介護事業の実施にあたっては、市、居宅介護支援事業者、地域包括支援センターと地域の保健・福祉・医療サービスとの綿密な連携を図り総合的なサービスの提供に努めるものとする。
・認知症の人の在宅での生活、そしてその家族の生活を支えるために、私たちの事業所は存在します。そのため、他の事業所や他の介護サービスでうまくいかなかった人、断られた人、対応が困難な人を受け入れています。
・認知症の人の混乱をなるべく小さくするため、古民家を使っています。なので皆さん、デイサービスに来るというより、友人の家に遊びに来る感覚のようです。そのため、デイサービスになかなか通いたがらない人も、比較的スムースに通ってくださっています。
・玄関に鍵はかけません。利用者が外に行こうとするときには、原則止めません。一緒に歩いたり、少し離れたところから、見守っています。
・行動を制限するために、抗精神病薬などでクスリ漬けにすることもしません。認知症の人の言動には、必ず本人なりの意味や目的があるからです。それをまずは探り、一緒に解決、もしくは納得できるように関わるのが、本来の認知症ケアだと考えています。
・自分のことはもちろん、家事など、できることは利用者さんにしてもらいます。一方的に「してもらう側」に追いやるのではなく、お互いに「したりしてもらったり」という、双方向の関係性を大事にしています。
運営特徴
・家事や業務を職員だけがするのではなく、利用者と職員が共同でしています。昼食の準備として、野菜の皮むきや盛り付け、配膳など、利用者のできることは一緒にします。また、利用者に包丁で野菜などを切ってもらうこともあります。食後は、一緒に下膳して、一緒に洗い、一緒に拭いて、一緒に片付けます。各人の能力に応じて、できることをしてもらっています。また、自発的に動くような工夫もしています。「認知症になったら何もできない」とは考えません。「できること」を探し、活躍できる場をつくるのも、認知症ケアの大事な側面だと思っています。
・特別な機能訓練(リハビリ)をしなくても、上記のような家事や、トイレで排泄すること、座ってお風呂に入ること、といった日常の 生活行為を繰り返すことが心身の機能低下を防ぐと考えています。
・利用者の主な生活の舞台は自宅なので、それに近づけるため、あえて建物内の段差は残してあります。在宅生活とリンクさせる工夫です。
・事業所の中だけで完結させずに、積極的に地域に出ています。いわゆる「徘徊」に付き合って歩き、そのついでに町内のゴミ拾いをしています。また、町内会主催の清掃活動にも参加しています。地域の人たちに、「認知症の人たちは特別な人たちではない」と知ってもらう意味合いもあります。